マンションでは壁の中に埋め込むなどした配管を使い、各部屋に配水管から組み上げた水を供給しています。
この給水方法は1つではなく、全部で4つの給水方法が存在しています。
ここからは、4種類あるマンションの給水方式と種類別にメリット・デメリットもお教えいたします。
マンションの給水方式4種類
マンションの給水方式としては以下の4種類になります。
- 加圧給水方式
- 直結増圧給水方式
- 高架水槽方式
- 直結給水方式
加圧給水方式や直結増圧給水方式・高架水槽方式・直結給水方式といったものになります。
ここからは、上記のマンションの給水方式について、詳細な情報を記載していきます。
加圧給水方式
水道本管から地上にある受水槽へと水を送って溜め込み、その水を加圧給水ポンプを使いマンションの各部屋で送る方式です。
大きめのマンション・団地に使われていることが多い給水方式で、使用する水の量に合わせてコントロールしながら供給できます。
以前は大きめの圧力タンクを使ってコントロールする方法が使われることもありましたが、今はインバーターでコントロールが多いですね。
直結増圧給水方式
受水槽などの水槽を一切使わずに水道本管からの給水圧力と直結増圧給水ポンプを使って、各部屋に水を供給するのが直結増圧給水方式です。
こちらの方式は自治体での規制がかかっていて使うには検討がいりますが、工事してこちらへ変更するといった例も少なくないです。
水槽を設置するような場所が必要ないので、外観を損なわない見た目のマンションにすることができます。
高架水槽方式
受水槽に溜めた水を揚水ポンプで高所に設置した高架水槽へと組み上げ、そこから各部屋に給水するのが高架水槽方式です。
高架水槽は屋上に設置されていることが多く、屋上から重力で最下層まで水を供給することが可能です。
マンションが作られた始めた頃から水の供給方法として採用されている方式です。
直結給水方式
水槽やポンプといったものは使わずに、水道本管から直接つなげて本管の圧力のみで給水する方式が直結給水方式です。
水道本管の圧力自体そこまで強くはありませんが、それでも3階ぐらいまでならこの方式で給水が可能です。
各部屋への水の供給としてだけでなく、非常時に作動するスプリンクラーなど散水栓系統への供給にも使われています。
種類別メリット・デメリット
4種類ある給水方式にはそれぞれメリット・デメリットがあり、理解したうえで採用する必要があります。
採用する方式によっては工事しようとしているマンションとは合わない可能性があり、そうなると再び専用の工事を行わないといけなくなる可能性があります。
以下で種類別に給水方式のメリット・デメリットを書きますので、しっかりと把握しておきましょう。
加圧給水方式のメリット
受水槽といった水槽を利用しているため災害などの緊急時に停電が起こったとしても、溜めてある分だけの水が利用可能です。
またポンプには通常のものだけでなく大容量のものもあるのため、大きめのマンションや団地といった場所での給水も可能です。
高架水槽方式と比べると、水槽が1つで済むところもメリットと言えますね。
加圧給水方式のデメリット
水槽本体や加圧給水ポンプの定期的な掃除といったメンテナンスを行う必要があります。
また専用の受水槽を設置するための場所を用意する必要があり、少し場所をとってしまう形になりますね。
災害などの緊急時に停電が起こっても受水槽の水を使うことはできますが、電気が無くてポンプは使えないため給水自体は行えないです。
直結増圧給水方式のメリット
給水する際の圧力が統一されているため、どの部屋でも同じ圧力で水の供給を行うことができます。
水道本管から直結で水を供給しているので、水道本管に流れている水が汚染されない限り水質汚染の心配がないです。
停電などが発生しても水道本管の圧力が届く範囲にまでなら水の供給が行えます。
直結増圧給水方式のデメリット
水槽がないので、災害などの緊急事態が発生した際に敷地内で使えるような水がないです。
基本水道本管からの水を給水しているので、水道本管自体で断水が起こるとマンションの給水も断水します。
水槽型ほどではないですが、直結増圧ポンプによっては少しだけ敷地内のスペースを使う可能性があります。
高架水槽方式のメリット
高架水槽の方に水が溜まっていれば、停電・断水といったことが発生しても溜まっている分だけ水を各部屋で利用できます。
マンション内の上階に設置されている高架水槽から重力で給水するので、上階から下階まで一定の圧力で運べます。
同じマンションでも水の出る勢いが違って困るといったことがまったくないですね。
高架水槽方式のデメリット
受水槽に加えて高架水槽と水槽を2つも置く必要があり、そのぶんだけ敷地内のスペースが必要になります。
また設置する水槽2つの定期的なメンテナンスや掃除が必要なので、それだけコストがかかってしまいます。
水槽に加えてポンプに関しても、設置するための場所が必要になります。
直結給水方式のメリット
こちらも水道本管からの直結方式であるため、水槽式のように溜まった水が外部から汚染されるといった心配が無いです。
また他の方式のように水槽や専用のポンプといったものが必要ないので、敷地内のスペースが必要無いです。
水槽・ポンプを設置する手間がないのと同時に、点検・掃除といったコストをかける必要もないですね。
直結給水方式のデメリット
増圧ポンプすら使わないので、水道本管自体の給水圧力がモロに影響を受けます。
そのため水道本管の方で何かしらが発生し水圧が下がってしまうと、その分水が届かなくなる可能性があります。
また基本建物の3階までしか届かない圧力であるため、それ以上の建物に採用することができないです。
まとめ
今回はマンションにある給水方式4種類と給水方式の種類別にメリット・デメリットをご紹介しました。
マンション建造初期は受水槽と高架水槽の2つを使って給水する、高架水槽方式が多く採用されていました。
技術の発達により給水方式が4種類にまで増え、工事により建物に合わせた給水方式へと変更するところも少なくはないです。
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次回も水道のトラブルや水廻りについて投稿させて頂きますので、そちらも観てもらえればと思います。
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