自宅のキッチンや洗面台の混合水栓を交換しようとしたとき、「逆止弁(ぎゃくしべん)」という言葉を目にしたことはありませんか?
DIYで水回りの作業をする方や、リフォームを検討している方には、おなじみの用語かもしれないです。
「逆止弁って何?」
「うちの蛇口に付いてるの?」
「なぜ必要なの?」
と疑問に感じる方も多いはずです。
見た目には目立たない部品ですが、実は水回りの安全性や給湯器の保護に欠かせない重要なパーツなのです。
この記事では、逆止弁の役割や必要性、混合水栓における設置の有無の見分け方、そして設置時の注意点まで、わかりやすく解説していきます。
逆止弁とは?混合水栓に使われる理由

逆止弁とは、「一方向にしか水を流さないようにするための部品」で、別名「チェックバルブ」とも呼ばれています。
水道配管において、水が逆流することを防止するために設けられるもので、住宅の水回り設備ではさまざまな場所で使われています。
特に「混合水栓」においては、お湯と水の圧力差によって起こる「逆流」を防ぐ役割があります。
たとえば、水側の圧力が高くてお湯側の圧力が低いと、冷水が給湯器側に逆流してしまい、給湯器の故障や異常動作につながることがあります。
逆止弁は給湯器や電気温水器といった設備そのものを守るだけでなく、建物全体の水道の安全性にも影響します。
逆流によって水道水の品質が保たれなくなるリスクがあるため、設置が義務づけられている地域もあります。
混合水栓で逆止弁がないとどうなる?

逆止弁が取り付けられていない混合水栓では、水とお湯の圧力差によって一方の配管に逆流が起こることがあります。
特にガス給湯器や電気温水器は構造上、逆流に非常に弱く、水が逆流すると内部部品が損傷したり、燃焼不良を起こす危険性があります。
配管内で水質が混ざり合い、他の蛇口からぬるま湯が出てしまう、あるいは温度調整がうまくいかないといったトラブルが発生することもあります。
最悪の場合、逆流したお湯が他の給水設備に悪影響を与えるなど、家全体の配管トラブルにつながるおそれもあるのです。
自治体によっては「逆止弁の設置が水道法で定められている」こともあります。
とくに集合住宅や施設など、不特定多数が使用する建物では、逆流防止が必須条件になっていることもあるため、注意が必要です。
逆止弁の見分け方

自宅の混合水栓に逆止弁が付いているかどうかは、見分ける方法について以下にまとめました。
取扱説明書・仕様図を確認する
もっとも確実なのが、水栓本体の取扱説明書やメーカーの仕様図で確認する方法です。
製品名や品番をもとに、公式サイトで仕様書を探せば、「逆止弁内蔵」「チェックバルブ付き」などの記載があるかどうかが分かります。
本体を分解して内部を確認
水栓を取り外し、給水口のストレーナー部分を確認すると、逆止弁が内蔵されている場合があります。
金属またはプラスチック製の弁が内部に組み込まれており、水の逆流を防ぐ構造になっています。
ただし、自分で分解するのが難しい場合は、無理せず業者に依頼するのが安全です。
蛇口のカバーやアダプターで判断
一部の製品では、赤や青のキャップや記号で給湯・給水側を識別しており、それぞれに逆止弁が内蔵されている場合があります。
また、止水栓の間に取り付けられているアダプターが逆止弁付きであることもあります。
外見からだけでは判断しづらい場合もあるため、やはり取扱説明書の確認がベストです。
品番で検索、メーカーに問い合わせる
どうしても見分けがつかない場合は、水栓の品番を調べてメーカーに問い合わせると確実です。
特にTOTO・LIXIL・カクダイなど大手メーカー製であれば、逆止弁の有無に関する情報もすぐに確認できます。
逆止弁が必要なケース・不要なケース

すべての混合水栓に逆止弁が必要というわけではありませんが、多くの家庭では取り付けておいたほうが安心です。
以下に、必要なケースと不要なケースをまとめました。
【逆止弁が必要なケース】
- ガス給湯器を使用している家庭
給湯器内部への逆流で重大なトラブルが発生する可能性あり - 水圧に差がある地域や設備
冬場や高層階などでは、お湯と水の圧力差が顕著に出る - 複数の給湯・給水設備がつながっている場合
他の蛇口や機器に逆流が影響を与えることがある - 自治体の条例で義務化されている場合
【逆止弁が不要なケース】
- すでに逆止弁内蔵のシングルレバー混合栓を使用している場合
- お湯と水が同じ圧力(同圧給水)で供給されている場合
不要と思われるケースでも、将来的な設備交換や増設を見越して設置しておくと安全です。
逆止弁付き水栓に交換する際の注意点

混合水栓を新しく設置・交換する場合、逆止弁が内蔵されていないタイプであっても、後付けで逆止弁を取り付けることが可能です。
たとえば以下のような方法があります。
- 逆止弁付きの接続アダプターを使う
既存の止水栓やホースの途中に取り付ける - 逆止弁内蔵の止水栓に交換する
専門業者による設置が必要
ただし、逆止弁を複数設置すると水圧が落ちて水の勢いが弱くなることがあります。
また、取り付け場所によって逆流防止の効果が十分に発揮されないケースもあるため、水道設備の構造に詳しいプロに相談することをおすすめします。
逆止弁が故障・劣化することもある?

逆止弁は長期間使うことで、内部のパッキンやスプリング部分が劣化し、逆流防止機能が弱まることがあります。
特に硬水地域や水垢の多い環境では、内部が詰まって正常に機能しなくなるケースも報告されています。
「最近お湯と水の切り替えが不安定になった」「別の蛇口からぬるま湯が出る」などの症状がある場合、逆止弁の劣化や不具合を疑ってみると良いです。
このような場合、逆止弁付きの部品を交換することでトラブルを防止できます。
定期的に水回りをチェックし、少しでも違和感を覚えたら早めに対処することが大切です。
逆止弁の役割を正しく理解して、安全な水まわりを

混合水栓における逆止弁は、普段は意識することのない小さなパーツですが、給湯器や配管を守る大切な役割を担っています。
逆止弁がないまま使用を続けると、逆流によるトラブルや修理費用が発生するリスクも高くなります。
とくにDIYで混合水栓を交換する際や、中古住宅・古い設備を使用している場合は、逆止弁の有無をしっかり確認することが重要です。
不安な場合は、メーカーに確認したり、設備業者に相談することをおすすめします。
水回りの安全を守るためにも、逆止弁の存在を正しく理解し、安心して使える住環境を整えていきましょう。
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